アスペルガー症候群

アスペルガーの女の子と久々に会って食事に行った。
元々彼女とはとあるボランティアを通して知り合ったのだが、メールを時々交わす程度の仲だった。
彼女、精神病院にも通っているが、なかなか寛解していないらしい。彼女と知り合って、アスペルガーについての書物を何冊か読んだり、自分で調べたりしたが、そもそもアスペルガーは病気というより性格の問題であるようで、向精神薬などによって治ることはあまり見込まれないらしい。どちらかというと人格障害に近いのだろうか。
そんな彼女、久々に会ってみると相変わらず空気の読めない言動を連発していた。たぶん、普通の人間なら、こんな人とは二度と関わりたくないと思うのだろうが、そこは男らしくグット堪えて耳を傾ける。彼女は病気なのだ。彼女は相手の反応を気にすることもなく、ぶっ通しで何十分も話し続ける。こちらが興味を示さない素振りを見せてもそれを感じ取れないのである。正直、俺も彼女の話などたいして聞いてない。彼女は相手が自分の話を理解するかどうかより、自分が満足することが重要なのだ。
そして、実験的に、隙を狙って俺が話題を提供してみると、彼女は全くと言っていいほど興味を示さない。

「ふーん」

ともの凄く低いテンションで相槌を打ってくるだけである。たぶん、彼女が病気であることを知らなかったら殴っているだろう。自分も彼女と頻繁に会うことはしたくない。精神的に疲労が溜まるのは明らかだ。1年に1度、いや2年に1度くらいでいいかもしれない。

しかしどうだろう、自分が彼女と同じ病気を抱えたと想像したらゾッとしないだろうか。自覚無しに周囲の人間すべてから嫌われ続ける可能生が高いのだ。

そんな境遇で日々生活を送っている当人達には感服せざるをえない。